拉致問題を考えなおす

 拉致問題を真に解決する道とは?拉致問題に詳しい5氏が冷静に分析し提言する 

[著者]

蓮池透(「拉致被害者家族会」元事務局長)

和田春樹(東大名誉教授)

菅沼光弘 (元公安調査庁調査第2部長)

青木理 (元共同通信社記者、現在フリーランス)

東海林勤 (稲城教会牧師、平和運動家)


  • 2010年 9月27日刊行
  • 四六判、並製、229ページ
  • 定価 1,500円+税
  • ジャンル[社会問題・国際問題]
  • ISBNコード 978-4-86228-044-2

  なぜ拉致問題は行きづまったのか

 日本と北朝鮮との拉致問題交渉が断絶して数年がたつ。日本政府は、交渉は「拉致被害者全員が生きていることを前提にする」という立場で、経済制裁など圧力を強化してゆけば北朝鮮が折れてくるという見通しに立っていたが、いっこうに進展の気配がみえない。その間、北朝鮮による核実験の強行など、アジアの緊張が高まっている。
本書は、世論に迎合してデッドロックに乗り上げたこれまでの日本政府の政策を批判し、前提条件なしにまず交渉すること、日朝国交正常化を目ざすこと、それのみが拉致問題解決や緊張緩和に資することを冷静に分析し提言する。


●(蓮池透氏)現政権も強硬路線を踏襲しましたが、こういうやり方が一番困る。家族の顔色見て「あなた方のいっていることをやっているのだから、いいだろう」、そういうエキスキューズにする。
●(和田春樹氏)一番近くにある隣国で、深刻な問題があり、深刻な関係にある北朝鮮とは、外交関係がなく、交渉ができないというのはもっとも馬鹿げており、危険だとしかいいようがない。