軍産複合体のアメリカ
戦争をやめられない理由
不合理なアメリカの戦争
アメリカはなぜイラク戦争を急いで始めたのか。「自由と民主主義」を実現するためなのか。イラクはいまや逆に反米テロを誘発し、泥沼状態にある。
戦争の動機に、軍産複合体という軍部と軍需産業の結合体の存在が大きい、と著者は指摘する。アメリカの政治・経済構造は、戦争によって利益を得る軍産複合体によって支えられている。それにイスラエル・ロビーやキリスト教右派、石油の利権がからむ。
つねに敵を探しつづけるアメリカ。イラクの次のターゲットはどこか。これまで正面から取り上げられることの少なかった軍産複合体の闇に迫る力作。
目次
- アメリカの軍産複合体とは何か
- 対テロ戦争の背後にあるもの
- 湾岸戦争と軍産複合体
- キリスト教右派とユダヤ・ロビー
- JINSAとイラン
- アメリカの軍産複合体と中東
- おわりに 戦争をやめられない理由
著作者について
宮田律(みやた・おさむ)
現在、静岡県立大学国際関係学部助教授。一九五九年、山梨県甲府市生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科修士課程修了、カリフォルニア大学ロスアンゼルス校大学院歴史学科修士課程修了。イスラム地域研究、国際関係論専攻。主著『イスラム石油戦争』(NTT出版)『中東イスラーム民族史』『物語 イランの歴史』(以上、中公新書)『イスラム世界と欧米の衝突』(NHKブックス)ほか。