新・学歴社会がはじまる 

分断される子どもたち

新・学歴社会がはじまる 分断される子どもたち

著者 尾木直樹(教育評論家・法政大学教授)

  • 2006年11月05日発売
  • 四六判・上製 268ページ
  • 定価 1,800円+税
  • ジャンル[教育・社会]
  • ISBNコード 4-86228-008-0

エリートとその他大勢に分断される

学力の二極化が進んでいる。私立中学や中高一貫校に進む少数のできる子。塾や家庭教師を頼める富裕層の子弟で、詰めこみ教育復活の結果、早いうちからストレスをためこみ、家庭内暴力も少なくない。一方、その他大勢の、できる子以外は習熟度別授業で別コースに固定され、学習意欲も低く、将来の下流社会人候補だ。
経済界の要請を受けた国のエリート教育政策への転換が今日、経済格差による学力の二極化を進め、学校現場を荒廃させている。教師体験にもとづいた、子どもの立場にたつ教育論の第一人者が、その深刻な現状と再生を考える。

目次

  • プロローグ 拡大する学力格差
    1. 広がる格差――下流社会化する日本
    2. 教育格差と学校の多様化・複線化――競争原理と選択の自由の真相
    3. 学力格差を拡大させた学力低下論――その経緯と真相と結末
    4. 働き方・生き方の格差――ニート問題から見えるもの
    5. 「勝ち組」の未来はバラ色か――バーチャルな金融教育の落とし穴
    6. 親は「学力」要求よりも「心」――わが子の人格形成を求める
    7. 機会平等、教育に希望を――ライフラインとしての教育保障
    8. 新・学歴社会の予感――あとがきに代えて

著作者について

尾木直樹(おぎ・なおき)

1947年滋賀県に生まれる。
1971年早稲田大学教育学部卒業後、私立高校、東京都公立中学校教師を経て、現在、教育評論家、臨床教育研究所「虹」所長、法政大学教授、早稲田大学大学院客員教授。
現場の豊富な教師体験を生かし、子どもの立場にたつ教育論の第一人者。
著書『学校は再生できるか』『「学力低下」をどうみるか』『「学級崩壊」をどうみるか」(以上NHKブックス)『思春期の危機をどう見るか』『子どもの危機をどう見るか』(以上岩波新書)他

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