「うたかたの恋」の真実
ハプスブルク皇太子心中事件
皇太子と少女マリー、「不倫」の真相
19世紀末、ヨーロッパ中を震撼させた心中事件。ヨーロッパで今なお話題にのぼるこの事件は、「うたかたの恋」として、くり返し映画化もされてきた。歓楽と哀愁と腐敗の町ウィーンを舞台に、乱れた男女関係や冷厳な超保守主義者の父フランツ・ヨーゼフ帝との葛藤を軸にして、自殺へと追いこまれていく経緯と帝国崩壊の予兆を、新史料をもとに明かす。不気味な闇の深さを描く歴史ドキュメント。
目次
- バーデン駅長の至急電
- 真相隠しの大作戦
- 父と子の間の深い闇
- ハムレット、ドンファン、そして……
- 競馬場の天使
- 雪山の道行き
- ひとは花のごとく散る
- ウィーンの恋の物語
- 母のデスマスク
- 愛と報復が招いた?世界大戦
- ドナウ河畔に眠る
著作者について
仲 晃(なか・あきら)
桜美林大学名誉教授、元共同通信社ジュネーブ支局長
著書『黙殺』『ケネディはなぜ暗殺されたか』(NHKブックス)
訳書『マクナマラ回顧録』『ゲバラ日記』(みすず書房)