「うたかたの恋」の真実

ハプスブルク皇太子心中事件

著者 仲 晃

書評

皇太子の許されざる恋が死を選ばせた純愛物語というふうにこの事件は見られてきた。だがそれだけなのだろうか、という疑問から著者はこの事件の背景をたどり、単純なラブ・ストーリーではないことを明らかにしてゆく。それはハプスブルク帝国の滅亡に深く関わった,よりなまなましい人間ドラマなのだ。……〈うたかたの恋〉といったロマンティックなイメージでしか知られていなかったこの事件をあらためて歴史的に読み直す試みに、多くを教えられた。

──海野 弘(評論家)、日本経済新聞

本書は、この「マイヤーリング心中事件」の謎に深く切り込み、その「謎」によく迫ったばかりでなく、その考証をを通して、宮廷と社会、皇室と国家、個人と公人といった様々な問題を適切に投げかけてくれる快著といってよいだろう。……

──瀧田夏樹(東洋大学名誉教授)、週刊ポスト

坂を転げ落ちるように暗転するハプスブルク家の運命を描いたドキュメント。

──河北新報、ほか多数

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「うたかたの恋」の真実