副題:すべてを思い切るために:力への意志
著者:貫 成人
ISBN:978-4-86228-015-2 C1010
定価1,000円+税 143ページ
ジャンル[哲学]
発売日:2007年10月1日
紹介
「ひとは見たい現実しか見ないものだ」というのがジュリアス・シーザーの口癖だったという。
ニーチェの魅力は、「ひとが見たくない現実」をこれでもかと突きつけてくる点にある。
しかもかれは、美しい理想や価値を否定して終わるなどという無責任なことはしない。
通常の見方をどのように改めればいいのか、その結果、世界がどう見えてくるのかを、ニーチェは示している。
本書は、哲学についてほとんど、あるいは、まったくご存じない読者にもニーチェの考えを理解していただくため、背景となる哲学史的な事情をふくめ、かれの考えを、できるかぎり噛みくだいて描いた。
ニーチェはなぜ道徳を否定するのか。「わたし」や「自我」も無用の長物だ、という。
「力への意志」など、ニーチェの過激なヴィジョンは何をもたらすのか。
目次
なぜ道徳を否定するのか──まえがき
第一章 ニヒリズム──すべての価値は無価値である
1 〈価値〉にかんする伝統的説明(一)
2 善悪のほんとうの起源
3 神の誕生と死
4 〈価値〉にかんする伝統的説明(二)
5 自我という「虚構」
第二章 永遠回帰
第三章 超人思想
1 大いなる正午
2 差異と消滅
3 〈価値〉にかんする伝統的説明(三)
第四章 力への意志
1 主体なき意志
2 〈力への意志〉の現代版
第五章 眺望固定病(パースペクティヴィズム)
1 誤謬の起源
2 〈自我〉の構築
3 円環の解決
著者プロフィール
貫 成人(ぬき・しげと)
現在、専修大学文学部教授
1956年、神奈川県に生まれる。
1985年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。
現象学をはじめとする現代哲学、歴史理論、舞踊美学を研究。
著書に『図解雑学 哲学』(ナツメ社)、『哲学マップ』(ちくま新書)、『哲学ワンダーランド』(PHP)、『経験の構造:フッサール現象学の新しい全体像』(勁草書房)がある。
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