著者:朴 勝俊/シェイブテイル
ISBN:978-4-86228-111-1 C0033
定価1600円+税 216ページ
ジャンル[経済]
発売日:2020年6月23日
紹介
「財政赤字の拡大なくしてコロナ不況の克服はない。
インフレにならない限り、政府が国債を発行すべきなのはなぜか?
答えはここに書かれている。」──井上智洋(駒澤大学准教授)
・国債は国の借金ではなく民間の資産である。
・日本経済停滞の根本原因は緊縮財政。
・新型コロナウイルス感染症への補償にも、もっと大胆な財政支出は可能。
・MMT(現代貨幣理論)を援用し、財政規律派の理論に反証。
これらのすべてを、バランスシートを用いて丁寧に証明。
目次
第1章 なぜ財政破綻論は信じられやすいのか
1 負債に対する恐怖
2 なぜ財政破綻論が信じられやすいのか
3 政府債務問題小史
第2章 貨幣の理解──部門別バランスシートを用いて
1 バランスシートとは何か
2 企業が破綻するとはどういうことか
3 民間銀行のバランスシート
4 政府および日本銀行のバランスシート
5 本書における貨幣の定義
6 商品貨幣論と信用貨幣論
第3章 バランスシートで分かる貨幣と財政の本質──MMTからの示唆
1 部門間でのバランスシートと取引
2 ストック・フロー一貫アプローチとは何か
3 円貨にはふたつの世界がある
4 国内民間だけでの経済──モデル1 同一銀行に取引先口座がある場合
5 国内民間だけでも実物純資産は増加しうるが、金融純資産は増加しえない
6 国内民間だけでの経済──モデル2 別々の銀行に取引先口座がある場合
7 バランスシート(BS)で分かる「スペンディング・ファースト」
8 国債発行と償還の仕組み
9 国債とはそもそも何なのか
第4章 財政破綻論の9類型
1 財政破綻とは何か
2 財政破綻論の9類型
第5章 通貨発行権をもち変動相場制をとる政府は財政破綻しない
1 財政破綻論(1) 日本国債の債務不履行(デフォルト)に陥る?
2 国債が増税によって償還されると貨幣が消滅するという事実
3 通貨発行権を有するいくつかの政府がデフォルトした理由
4 財政破綻論(2) ギリシャは対岸の火事ではない?
5 財政破綻論(3) 国債残高や名目GDP比率に関する警告
6 財政破綻論(4) 国債対GDP比率が90%を超えると経済成長率が下がる?
7 財政破綻論(5) 国債を国内の金融資産で支えきれなくなると財政破綻する?
第6章 デフレ脱却時に財政破綻が起こるわけがない
1 財政破綻論(6、7、8) デフレ脱却を「引き金」とする財政破綻論
2 さまざまな金利
3 景気回復から金利上昇に至る仕組みとタイムラグについて
4 日銀の債務超過はそもそも問題なのか
5 政府・日銀・民間を同時にとらえると、全部が破綻することはあり得ない
第7章 ハイパーインフレは起こらない
1 財政破綻論(9) ハイパーインフレを懸念する議論
2 ハイパーインフレの定義を明確にする
3 歴史上のハイパーインフレの事例
4 ドイツのハイパーインフレは中央銀行の独立性が原因?
5 日銀当座預金が増えてもハイパーインフレにはならない
第8章 デフレ脱却と未来のための投資
1 デフレ脱却の重要性
2 財政支出を増やせば経済は成長する
3 未来への公共投資
4 グリーン・ニューディールとは何か
巻末付録 現金とは何か
著者プロフィール
朴 勝俊(ぱく・すんじゅん)
関西学院大学総合政策学部教授。博士(経済学)。専門は環境経済学、環境政策。
1974年大阪に生まれる。神戸大学大学院経済学研究科終了。
著書に『環境税制改革の「二重の配当」』(晃洋書房)、『脱原発で地元経済は破綻しない』(高文研)など、
翻訳 バルファキス『黒い匣(はこ)』(共訳、明石書店)などがある。
シェイブテイル Shave tail
貨幣論研究家。2009年より積極財政を支持する立場からブログ「シェイブテイル日記2」を開始。
最近では主にTwitterでの情報発信(@shavetail)をおこなっている。
著書『図解 MMT現代貨幣理論の基盤』(Kindle版)
『MMT(現代貨幣理論)で解ける財政問題: 目からウロコの解決策』(Kindle版)がある。