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Seitosha Publishing

脱近藤誠理論のがん思考力.jpg

著者  大場 大
ISBN 978-4-86228-090-9 C0047
定価 1,600円+税 284ページ
ジャンル[医療・医学]
2016年 10月25日発売
 
 
紹介
近藤誠「がんもどき理論」批判の決定版! 
 
「がんは放置が一番」と説き、手術や抗がん剤の効用を否定する近藤理論。
これを信じたために、本来救えたはずのがん患者が救えなくなってしまった事例が増えている。
気鋭のがん名医が、その思考破綻を暴き、手術、抗がん剤の延命効果を国内外のデータから科学的に実証する。
多数の図や著名人の事例などを用いて、分かりやすく説明。
 
 
目次
I 「近藤理論」はルール違反を重ねた仮説
II 抗がん剤の延命効果
III 手術が延命に有効なデータ
IV がん検診について賢く議論する
V 著名人のケースで考える
終 「放置」ではなく、「無治療」を肯定的に考える場合とは


著者プロフィール
大場 大(おおば・まさる)
1972年、石川県生まれ。外科医、腫瘍内科医。医学博士。金沢大学医学部卒業。
がん研有明病院等を経て、東京大学医学部附属病院肝胆膵外科助教。
2015年退職し、セカンド・オピニオン外来を主とした「東京オンコロジークリニック」を開設。
著書『がんとの賢い闘い方―「近藤誠理論」徹底批判』(新潮新書)『東大病院を辞めたから言える「がん」の話』(PHP新書)



はじめに
「がん」という病気は人生を一変させてしまう深刻な病です。そして、誰しもが生涯の中で、2人に1人の割合で「がん」にかかるリスクを抱えています。それがひとたび現実のものとして訪れてしまった場合、望むならば治りたいと願うのは当然の心情です。しかし場合によっては治すことが難しい状況で「がん」が発見されることもあるでしょう。
もしそうだとしても、一日でも長く愛する家族と一緒に過ごしたい、これまで通りの生活、人生をできる限り維持したい──そのような希望や目標をできる限り支援するためにあるのが、医療です。真摯な医療とは、医学に基づいた実践学であり、その本質は人類愛に基づく利他の営為とされています。そして、今ある医療の姿は、まだ見ぬ将来の同様な患者さんのために、数えきれない多くの患者さんたちからの「命のバトン」を繋いできた歴史によって進歩を遂げてきました。だからこそ、倫理という礎のもとで普遍性を帯びたものでなければいけません。
 その一方で、「がん」という病気はいまだに不確かなことが多く、いくら最善の医療が施されたとしても、必ずしも期待通りの確実な結果に至らないことも少なくありません。医療によって引き起こされる合併症や副作用といった有害なリスクも常に孕んでいることでしょう。そうした不確実な側面を知ってか、がん医療に対する頭ごなしの否定や安直ながん克服方法にみられる、いわば “エセ医学” 情報が身の回りに氾濫しています。
その中でも、影響力の強い出版メディアの支援のもとで、長年にわたって異質な情報を発信し続ける医師がいます。それは、元慶應義塾大学病院放射線科医師の近藤 誠氏です。「がんは放置がいちばん」「手術は受けるな」「抗がん剤は効かない」「医者に殺される」「がん検診は百害あって一利なし」などなど、刺激的なフレーズがちりばめられたこれまでの著作の数々はベストセラーになっています。本来の医療現場とはかけ離れたところで「近藤理論」として温存され続け、熱狂的な支持者も少なくありません。
 近藤氏のふるまいは、まるで宣教師の如く、重複した内容を何度も繰り返し発信し続けることで、不安や心配を抱えたがん患者さんたちに多大な影響を与えるとともに、実際の医療現場でも数々の混乱を招いています。言論の自由がいくら保障されているとはいえ、患者さんにとっては、一度限りの命や人生の過ごし方に関わる何よりも大切なテーマである以上、決して看過してはならない大きな問題だといえます。「慶應義塾大学」ブランドの医師という立場で放たれた言説を盲信してしまったがゆえに、本来救えたはずの患者さんが救えなくなってしまった事例、苦しまずにもっと長く生きることができた事例が、これまで以上に多々見聞されるようになっています。2013年には、慶應義塾大学病院を退き、近藤誠がん研究所という看板を掲げ、セカンドオピニオンという形での診療行為までも多数の患者さんに対して実際に行い続けているようです。最近では、女優 川島なお美さんも、彼のもとを訪れたことで少なからずの悪影響を受け、惜しまれながら帰らぬ人となってしまったことはまだ記憶に新しいかと思います。
 本書では、医師である近藤氏の言説にみられる様々な誤謬や破綻した思考について、主観を一切排除したうえで科学的かつ客観的見地から、できる限りわかりやすい表現で説明してみたいと思います。今回、あらためて筆をとった理由は、単なる価値観の対立を目指した稚拙な意味ではありません。目の前にある「がん」という厳粛な現実に対して、明るく前を向いて、一生懸命に治療を頑張っている患者さんのために、あるいは最善の医療を求めているにもかかわらず、エセ情報の波に溺れかかっている患者さんを救済するためにも、そして利他の精神のもとで最善を尽くそうと現場で必死に闘っている真摯な医療従事者の名誉のためにも、ここで近藤氏の非を明確にしなくてはいけないと思ったからです。
本書を通じて、様々なご意見やご叱咤をいただくことになるかと思いますが、世界中どこにあっても共有されている普遍的ながん医療のあり方を前提としたうえで、慎重な論理思考と現場で機能している理知を示した内容の執筆であることをご了承いただけると幸いです。
 
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