愛と貨幣の経済学──快楽の社交主義へ

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著者  古賀 徹

  • 2016年 6月30日発売
  • 四六判、並製、320ページ
  • 定価 2,000円+税
  • ジャンル[現代思想・経済・社会]
  • ISBNコード 978-4-86228-088-6 C0036

消費資本主義をこえる豊潤な思想の誕生


商品の氾濫する〈欲望〉の時代。ラカンの〈対象a 〉をふまえ、マルクスを読みなおし、フロイトを援用して、快楽のコミュニケーションをリビドー次元から探求する気鋭の問題作。
具体的できわめて分かりやすい論述。


「資本主義は快楽を中途半端な形で打ち切り、一種の欲求不満状態をつくりだし、そうであるがゆえにさらなる消費へと駆り立てるという回転性質を持っているのです。
(中略)これに対してリビドーを解放する社交主義、つまり本書が強調したい意味でのエロティックな社会主義は、物事それ自体が持つ価値のあくなき探求を通じて、
それに関わる他者とのこれまたその襞の襞をねちっこく追求する快楽を準備するのです。つまり薄い快楽から濃い快楽、表面のエロースから奥行のエロースへと移行するには、
資本主義から一定の距離をどうしても取る必要があるのです。」(第3章より)  

著者について

古賀 徹(こが・とおる)

九州大学准教授。1967年熊本県生まれ。
北海道大学文学研究科博士課程単位取得。博士(文学)。
専攻は哲学。2000年から、ドイツ・フランクフルト大学にて在外研究。
主著『超越論的虚構──社会理論と現象学』(状況出版)、
『理性の暴力──日本社会の病理学』