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Seitosha Publishing

2014年4月のエントリー 一覧

GOD AND GOLD
副題:イギリス、アメリカはなぜ近現代世界を支配できたのか

G&G1.jpg著者:ウォルター・ラッセル・ミード
訳者:寺下滝郎
ISBN:978-4-86228-070-1 C0031
定価3,200円+税 382ページ
ジャンル[西洋近代史]
発売日:2014年4月25日


紹介
なぜイギリス、アメリカは近現代の世界制覇を成し遂げることが出来たのか。
その海洋国家システムや宗教的定め──変化を受け入れ、促進し、加速させること──などの視点から、
大スケールで分析する注目作

【大澤真幸氏 推薦】
十七世紀以降、英米(アングロ-アメリカ)は、一度も負け組に回ったことがない。どうしてそんなに強いのか?
本書がその問いに答えている。秘密は、二つのG、神(ゴッド)と黄金(ゴールド)の特殊な接合にある、と。つまり、資本主義と結託した特異なキリスト教こそが鍵だ、と。

「アングロ・アメリカン国家の特徴は、宗教、理性、そして伝統が対立をはらみながらも、バランスを保ちつつ切磋琢磨することにあるとする。
大胆でありながら様々な論点に目配りの効いた巨視的歴史分析の傑作である。」(田所昌幸・慶応大学教授、読売新聞2014年8月17日)

「毎年のように夏の休暇をロンドンで過ごしてきたせいか、大英帝国と現代のアメリカの覇権が一続きの世界帝国のように思えていた。
しかも、それがかつてのローマ帝国の覇権とどこか重なって見えるのだった。その個人的な感慨が本書の基調を奏でるのだから、ひたすら読みふけるしかなかった。」
(本村凌二・早稲田大学特任教授、毎日新聞2014年7月27日)

その他の書評:朝日新聞(水野和夫・日本大学教授)、共同通信配信(山内昌之・歴史家)、文芸春秋(野口悠紀雄・経済学者)


目次
序論 アングロ-アメリカ勢力と世界をめぐる「六つの問い」
第一部 海象と大工

  • 第一章 神はわれらの側にあり──クロムウェルからブッシュ・ジュニアに至る内部の敵との戦い
  • 第二章 価値観を共有するアングロ‐サクソン人──ルイス・キャロル「海象と大工」とデフォー「生粋のイングランド人」
  • 第三章 彼らはわれらをいかに憎みしか──英語国民とワスプ嫌いの人びとを隔てる壁

第二部 すべての国より畏怖と羨望の的となりし

  • 第四章 海洋国家システムのヴァージョン・アップ──オランダからイギリスを経てアメリカへ
  • 第五章 フランス、この厄介な国──イギリスの海洋国家システムに挑戦するナポレオン
  • 第六章 世界は彼らの牡蠣であった──英語文化圏としてのイギリス帝国の拡大
  • 第七章 力の源泉──英語圏における公信用と私的信用の制度的基盤・イングランド銀行
  • 第八章 イートン校の運動場──消費革命、交通革命、情報革命、大衆文化、スポーツの発展
  • 第九章 ゴルディロックスと西洋──資本主義という荒馬を御す英語国民の国

第三部 アングロ‐サクソンの態度

  • 第十章 ワスプと蜜蜂──「開かれた社会」と「閉ざされた社会」、「動的宗教」と「静的宗教」
  • 第十一章 ブレイの牧師──宗教への固執と懐疑主義との共存
  • 第十二章 教義対教義──カトリックとプロテスタントと啓蒙思想のせめぎ合い


著者プロフィール
ウォルター・ラッセル・ミード(Walter Russell Mead)(著)
バード大学外交・人文科学教授および論壇サイトThe American Interest総合監修者。
外交問題評議会ヘンリー・A・キッシンジャー米外交政策上級研究員を歴任。
フォーリン・アフェアーズ誌に定期的に書評を執筆、ニューヨークタイムズ紙、ワシントンポスト紙などにもしばしば寄稿している。
主著『神の加護(Special Providence)』、『パワー、テロ、平和および戦争(Power, Terror, Peace, and War)』。
『神の加護』は、英エコノミスト誌が「世界で最も重要なノンフィクション賞」と評したライオネル・ゲルバー賞を2002年に受賞。

寺下滝郎(てらした・たきろう)(訳)
翻訳家。1965年、広島県呉市に生まれる。
1988年、学習院大学法学部政治学科卒業。
1999年、東洋英和女学院大学大学院社会科学研究科修了。
修士学位論文「日本における外国経済界のロビイング~在日米国商工会議所(ACCJ)を中心に」で長野賞を受賞。