理性の暴力~日本社会の病理学

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著者  古賀 徹 (こが・とおる)

  • 2014年 1月26日発売
  • 四六判、並製、404ページ
  • 定価 2800円+税
  • ジャンル[哲学・思想・社会]
  • ISBNコード 978-4-86228-069-5 C0036

合理化・理性化の追求は暴力を胚胎する

● フクシマの原発事故は、想定外のリスクを排除した全体主義的な科学のイデオロギー化による。事故防止のための思想とは?
● 〈いじめ〉はなぜなくならないのか。本来、自由と自立を訓育する学校の本質から考える。 
● 沖縄戦「集団自決」の悲劇を、軍の直接関与の有無にかかわらず、どこにでも起こりうるものとして、全体主義の視野から考察。
● ハンセン病強制収容のように、公共性の空間は内部から他者の権利剥奪と殺戮の強制収容所を生み出す。公共性空間を再考する。
● 水俣病の原因には科学的根拠がないとし水俣病の発見を遅らせた専門家の過度に科学的・論理的思考法を問う。
● 死刑判決は裁判官の推論という誤謬と被害者擁護の応報から成り立つ、その理性のありようを分析する。
● 理性の限界と可能性を考える注目の哲学者の登場。

著作者について

古賀 徹  (こが・とおる)

 九州大学准教授。1967年熊本県生まれ。北海道大学文学研究科博士課程単位取得 博士(文学)。専攻は哲学。2000年から2001年、ドイツ・フランクフルト大学にて在外研究。主著『超越論的虚構-社会理論と現象学』(情況出版)。日本哲学界の西洋中心主義、植民地性を批判、理性や日本社会の病理を徹底思考する稀有の哲学者。