著者:高岡 健
ISBN:978-4-86228-048-0 C0011
定価1,600円+税 228ページ
ジャンル[心理学]
発売日:2011年3月15日
紹介
【ひきこもりを認めること】
不登校・ひきこもりの本質とはなにか。親はどうすればよいのか。
集団を拒否する不登校・ひきこもりは、一人で自分や空想の他者と対話し、再生していく貴重な体験。そのプロセスを保障することがなにより大切だと著者は主張する。
親や周囲がその状態を否定的に捉えて非難したり、外に無理やり引き出そうとすると、ひきこもりをいっそうこじらせたり、家庭内暴力などの悲劇を生む。
すぐれた精神科医が、世間一般の見方を転換し、さらに、対応の原則など100の疑問に答える。
目次
第1部 不登校・ひきこもりを考えなおす
Ⅰ 一人ぼっちという大切な時間
1 はじめに
2 第一のテーマ──中学生とはどんな年代だろうか
3 第二のテーマ──精神科の診察室から見える姿
4 第三のテーマ──一七歳の犯罪
5 おわりに
Ⅱ 登校拒否・ひきこもりを生きる
1 登校拒否の数の推移から、その背景を考える
2 イギリスではどうか
3 イギリスのニートと二つの教育雇用政策の失敗
4 日本における“ニート”のとらえかた
5 個人問題化させたニート政策
6 人生の中で“ひきこもり”の時期は大切だ
7 “ひきこもり”“ニート”“登校拒否”をどう考えるか
8 必ず来る! “人生の幅を広げていく時期”が
Ⅲ ライフステージとしての「ひきこもり」
1 十分に引きこもることが必ずプラスを産む
2 日の丸・君が代の発生と起源
3 不登校をめぐる考え方の変遷
4 ひきこもりは不登校と密接なつながりがある
5 自己責任
6 ネット自殺とオリバト
7 空想の中の他者
8 親は自分の人生を歩めばいい
Ⅳ ひきこもりと若者の人権
1 ひきこもりの若者を拉致した裁判
2 ひきこもり青年の愛読書は漱石
3 斜めの関係
4 ひきこもりを保障する経済的基盤
5 個人を集団より無条件に優位に置くこと
第2部 高岡健さんへの100の質問
1 登校拒否・ひきこもりの本質と実態
2 登校拒否・ひきこもりの要因
3 登校拒否・ひきこもりへの対応の原則
あとがき
著者プロフィール
高岡 健(たかおか・けん)
1956年生まれ。精神科医。岐阜大学医学部准教授。
著書『自閉症論の原点』『やさしいうつ病論』(以上、雲母書房)『やさしい発達障害論』(批評社)
『ひきこもりを恐れず』『こころ「真」論』(宮台真司らとの共著)『時代病』(吉本隆明との共著、以上ウェイツ)ほか