今夜も赤ちょうちん

著者:鈴木琢磨

書評

毎日新聞夕刊の好評コラムから厳選した79話。全国の庶民的な酒場の魅力を紹介する。

   ――サライ、2009年10月号

都内の居酒屋を巡り(というか徘徊し)、店の紹介だけに限らず、記者の仕事から知り合った、小説家や著名人達の酒の上での話しを織り込んでいる。そこがミソであり、他の居酒屋巡り本とは違う魅力のあるところ。何かと、飲兵衛は肩身がせまいが、本書を読んで大手を振って歩きたい。

   ――YOMIURI ONLINE 本よみうり堂、2009年9月10日

居酒屋巡りのかたちをとって森羅万象、世事一般、人間現象あれこれを随意に切り取り、判断し、定義し、倦むところがない。酒がどうだの肴がこうだの、利いたふうなことをのたもうて通ぶる池波正太郎の出来損ないみたいなのが後を絶たないが、鈴木琢磨はさにあらず、ひたすら「探訪」に徹するのだ。秋上がりする酒の、のどごしのような文章が並ぶ。

   ――河谷史夫氏(朝日新聞論説委員)、「選択」、2009年9月号

酒をたしなむ人もたしなまない人も居酒屋から発信される数々の物語に触れ、心に哀愁がわいてくるのではないだろうか。  

   ――公明新聞、2009年8月24日

ふらりと入った店でもさすがは名物記者、亭主に肴を任せ、居合わせた客と話を弾ませる。市井の人間ドラマもいいが、その店と縁のある著名人との思い出話も興味深い。これぞ大人の醍醐味。  

  ――Japan Press Network 47NEWS、2009年8月10日

汗と涙が染みたカウンター、素朴な美味、主人やおかみの人柄、客同士の一言二言。今は亡き大家・暉峻康隆氏の教えを胸に、皇居のお堀端勤めの新聞記者が赤ちょうちんめぐり。

   ――東京新聞、8月4日

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今夜も赤ちょうちん