16歳からの<こころ>学 ―「あなた」と「わたし」と「世界」をめぐって
著者 高岡 健
- 2009年10月26日発売
- 46判、並製、201ページ
- 定価 1,600円+税
- ジャンル[心理]
- ISBNコード 978-4-86228-035-0
<「あなた」との出会いの失敗とは>
<大人になる>とはどういうことか。「わたし」や「世界」はどのようにして確立されるのか。
人は最初の「あなた」である母親から十分なまなざしを受けられないと、またそれを受けていても精神的な別離がないと、青年期に至って、第二の「あなた」である異性に出会えない。そして「世界」や「わたし」を自身のなかに確立できない。
「あなた」との出会いの失敗は、こころの「解離」やリストカットなどさまざまな問題を引き起こす。
<わたし>と<あなた>と<世界>をキーワードに、
「大人になる」とはどういうことかを考える。
児童精神医学の第一人者によるこころからのメッセージ。
「あなた」と「わたし」と「世界」をキーワードに、
今日だれもが困難になりつつあるアイデンティティの確立を、
読者とともに考える、共感と目覚めの一冊。
こころに深く残る一冊。
著作者について
高岡 健(たかおか・けん) 1953年生れ。
精神科医。岐阜大学医学部准教授。
著書『自閉症論の原点』『やさしいうつ病論』(以上、雲母書房)『やさしい発達障害論』(批評社)
『ひきこもりを恐れず』『こころ「真」論』(宮台真司らとの共著)『時代病』(吉本隆明との共著、以上ウェイツ)ほか。
目次
はじめに
Ⅰ部<こころ>の基本構造
第一章 <こころ>の成立――『春と修羅』と『よだかの星』
<こころ>の発生(1) <こころ>の発生(2)
<こころ>の発生(3) <わたし>の誕生(1)
<わたし>の誕生(2) もう一つの<わたし>の誕生(1)
もう一つの<わたし>の誕生(2) 第一章のまとめとキーワード
第二章<こころ>の消滅――『蠅の王』と『リンゴの木』
<こころ>の死(1) <こころ>の死(2)
<世界>からもたらされる死と<わたし> 類と個
もう一つの<こころ>の死(1) もう一つの<こころ>の死(2)
第二章のまとめとキーワード
Ⅱ部<こころ>の展開
第三章 幼年期・少年期・青年期の<こころ>――『思い出』と『人間失 格』
<あなた>からのまなざし 最初の<あなた>の周辺
アイデンティティの第一段階から第二段階へ アイデンティティの第三・第四段階
アイデンティティの第五段階 アイデンティティの混乱(1)
アイデンティティの混乱(2) アイデンティティの行方(1)
アイデンティティの行方(2) 第三章のまとめとキーワード
第四章結婚期・育児期・中年期の<こころ>――『卒業Part2』
青年期からの離陸 結婚期から育児期へ(1)
結婚期から育児期へ(2) アイデンティティの第六段階から第七段階へ
アイデンティティの第八段階 第四章のまとめとキーワード
第五章老年期の<こころ>――『ワイマルのロッテ』
アイデンティティの第九段階 ゲーテの別れ
ロッテの別れ(1) ロッテの別れ(2)
青年期の発見と老年期の発見 第五章のまとめとキーワード
第Ⅲ部<こころ>のゆらぎ
第六章<あなた>のゆらぎ――『賭博者』と『カラマーゾフの兄弟』
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