変わる日本語その感性

変わる日本語その感性

著者 町田 健

  • 2009年7月10日発売
  • 46判、並製、225ページ
  • 定価 1,600円+税
  • ジャンル[日本語]
  • ISBNコード 978-4-86228-033-6

<問題な日本語>は ほんとうに問題なのか。

変わる日本語の背景・理由を、日本人一般の感性の変化や日本語の性質から鋭く読みとく。

著者 町田 健

文法的、語法的に本来は正しくない表現が一般化するのはなぜか。
変わる日本語の背景・理由を、日本人一般の感性の変化や日本語の性質から鋭く読みとく。

「お飲み物はよろしかったでしょうか」や「コーヒーの方お持ちしました」「私ってネコ嫌いじゃないですか」など批判のある最近の若者言葉はほんとうに問題なのか。また、「東京を3時発の『のぞみ』です」や「式を始めたいと思います」などのちょっと気になる日本語。文法的、語法的に本来は正しくない表現が一般化するのはなぜか。変わる日本語の背景・理由を、日本人一般の感性の変化や日本語の性質から鋭く読みとく。
( 「お飲み物はよろしかったでしょうか」より)

ここで考えなければならないのは、日本語の「た」は過去を表すばかりではないということです。・・・未来の出来事と仮定された出来事の共通点は、どちらも現実に起こった事柄ではないということです。「た」にこのような働きがあるのだとすると、お客の意向を尋ねるために店員が使う言い方として「お飲み物はよろしかったでしょうか」が使われるようになった理由は理解できます。・・・「よろしいでしょうか」よりも押しつけがましい意味合いが出ない分、丁寧さが増すのだと考えることができます。

目次

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著作者について

町田 健(まちだ・けん)

1957年福岡県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得。現在、名古屋大学教授。専門は言語学。
著書『言語学が好きになる本』『生成文法がわかる本』『日本語のしくみがわかる本』(以上、研究社) 『チョムスキー入門』『ソシュール入門』(以上、光文社新書)『言語世界地図』(新潮新書)ほか。フジテレビのクイズ番組「タモリのジャポニカロゴス」に解説者としてレギュラー出演。