入門・哲学者シリーズ4 ハイデガー

入門・哲学者シリーズ1 ニーチェ

著者 貫 成人

  • 2007年11月25日発売
  • B6判、並製、各135ぺージ程度
  • 定価 1,000円+税
  • ジャンル[哲学]
  • ISBNコード 978-4-86228-018-3

すべてのものに贈られること:存在論

現実感の喪失を埋め合わせる哲学をハイデガーに求めた世紀末の青年たち。わたしの居場所を見出すこと、存在することとはどういうことかを考える。

目次

  • 存在の頼りなさ--まえがき
  • 第一章 存在への問い
    1. 伝統的ヨーロッパ哲学における「本質」と「存在」
      1. 「本質」「偶有性」
      2. 「存在」
    2. ハイデガーの問い
      1. 「ある」とはどういうことか
      2. 存在の意味」への問い
     
  • 第二章 非本来性:日常において見失われる自分
    1. 「現存在」      
      1. 「道具連関」
      2. 「世界」
      3. デカルト主義の大略
      4. ハイデガーのデカルト批判
    2. 「世界-内-存在」のあり方
      1. 道具連関の最終目的
      2. 「ひと」:現存在の交換可能性
     
  • 第三章 本来性:自分の完全なあり方
    1. 現存在の「かけがえのなさ」
      1. 現存在の交換不可能性
      2. 死へ向かう存在
      3. 現存在の全体性
      4. 死の忘却
      5. 死の忘却メカニズム
      6. 死をめぐるヨーロッパ哲学
    2. 現存在の本来性     
      1. 日常からの脱却:良心
      2. 現存在の時間:非本来性
      3. 本来性における過去:被投性
      4. 現存在の将来:企投性
      5. 現存在の現在
      6. キルケゴールの実存思想
      7. 無をまえにした不安
    3. 実存主義と存在への問い
      1. サルトルの実存主義
      2. サルトルとハイデガー
     
  • 第四章 転回以後:存在の隠蔽
    1. 物、道具、芸術作品
      1. 認識活動と物
      2. デカルト批判再び
      3. 芸術作品へ
      4. 世界と大地
      5. 開示・現前と隠蔽・非現前の相互貫通
      6. 存在の真理
    2. 存在に聴き従うこと
      1. デカルトと人間中心主義
      2. 存在の贈与
      3. おわりに

(「あとがき」より)
存在の頼りなさ
ハイデガーが言うように薔薇の花は、その理由とも証拠とも無関係に咲いている。それどころか、われわれ自身の存在にもまた理由や証拠は必要ない。それでは存在とはいったいどういうことなのか、それを明らかにしようとしたのがハイデガーの生涯だった。

著作者について

貫 成人

現在、専修大学文学部教授
1956年、神奈川県に生まれる。
1985年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。
現象学をはじめとする現代哲学、歴史理論、舞踊美学を研究。
著書に『図解雑学 哲学』(ナツメ社)、『哲学マップ』(ちくま新書)、『哲学ワンダーランド』(PHP)、『経験の構造:フッサール現象学の新しい全体像』(勁草書房)がある。