副題:わたしは何を望みうるのか:批判哲学
著者:貫 成人
ISBN:978-4-86228-017-6 C1010
定価1,000円+税 141ページ
ジャンル[哲学]
発売日:2007年10月1日
紹介
国家や人格、芸術、自然のあり方を正面から受けとめ、答えを出そうとしたカント。
ヨーロッパを代表する哲学者の世界を明かす。
カントのすごいところは、人間がかかわりうるすべての事柄を体系的に思考した点にある。
だが、そのかれをより根底で突き動かしていたのは、思考の道具である人間の理性そのものをめぐる不安だった。
冷静で形式張って見えるカントの議論も、切羽詰まった、実存的苦闘だったのである。
本書は、そのカントの考えの骨格を全体的に掴む上で、読者のなによりの手助けになるだろう。
◎ 中学生にも分かる、はじめての哲学者シリーズ。
◎ 哲学の基本からていねいに解説する。
◎ それぞれの哲学者の全体像を、レベルを落とすことなくコンパクトにまとめる。
◎ 各冊140ページ程度で一気に読め、現代を生きる手がかりをつかめる。
そびえ立つ哲学の巨人を相手に、ダンサーの身体のようにしなり、たわむ、強靭な思索。ダンスを愛する著者らしく、語り口もリズミカル。はじめて西洋哲学を学ぶ人にも、もう一度復習したい人にもぴったりの入門書シリーズだ。
──鷲田清一(大阪大学総長、哲学)
目次
真善美を問う──まえがき
第一章 永遠平和のために
1 永遠平和のための制度
2 自然のメカニズム
第二章 理性の限界
1 カントの状況
2 われわれはなにを知りえないのか
第三章 経験の可能性
1 「おなじひとつの」問題
2 ヨーロッパ哲学史回顧
3 経験が可能であるためになにが必要か
第四章 行為の規範
1 伝統的倫理学説
2 定言命法
第五章 美的判断力と目的論
著者プロフィール
貫 成人(ぬき・しげと)
現在、専修大学文学部教授
1956年、神奈川県に生まれる。
1985年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。
現象学をはじめとする現代哲学、歴史理論、舞踊美学を研究。
著書に『図解雑学 哲学』(ナツメ社)、『哲学マップ』(ちくま新書)、『哲学ワンダーランド』(PHP)、『経験の構造:フッサール現象学の新しい全体像』(勁草書房)がある。