副題:主体という夢:生の権力
著者:貫 成人
ISBN:978-4-86228-016-9 C1010
定価1,000円+税 135ページ
ジャンル[哲学]
発売日:2007年10月1日
紹介
「理性」「主体」といった価値を覆し、日々の思考や欲望の生成メカニズムを明かすフーコー。
生の権力など、フーコーの起爆力を解く。
もし「哲学」の本を一生に一冊しか読まないつもりならフーコーを読むのがいい、とつねづね学生には話している。学校や性など、きわめて具体的な事柄をあつかっているくせに、西洋哲学において、まるで当たり前のように前提されていた事柄をことごとくひっくり返し、その結果、われわれがいつの間にか思いこんでいた常識にも風穴を開けるからだ。
本書は、そのフーコーの考えを、できるだけわかりやすく述べたものである。
◎ 中学生にも分かる、はじめての哲学者シリーズ。
◎ 哲学の基本からていねいに解説する。
◎ それぞれの哲学者の全体像を、レベルを落とすことなくコンパクトにまとめる。
◎ 各冊140ページ程度で一気に読め、現代を生きる手がかりをつかめる。
そびえ立つ哲学の巨人を相手に、ダンサーの身体のようにしなり、たわむ、強靭な思索。ダンスを愛する著者らしく、語り口もリズミカル。はじめて西洋哲学を学ぶ人にも、もう一度復習したい人にもぴったりの入門書シリーズだ。
──鷲田清一(大阪大学総長、哲学)
目次
「自由な主体」を問いなおす──まえがき
第一章 理性の構築──『狂気の歴史』
1 「理性の不安」
2 狂気と理性:『狂気の歴史』
3 理性の相対化
第二章 知の台座──ヨーロッパ的知という構造
1 思考の土台:エピステーメ
2 動植物についての知
3 エピステーメが生み出すもの
第三章 パノプティコン──自己規制によって作られる自我
1 死の権力
2 生の権力
3 規律
第四章 「私空間」の編成──『性の歴史』
第五章 生政治と自己への配慮──抵抗の拠点?
著者プロフィール
貫 成人(ぬき・しげと)
現在、専修大学文学部教授
1956年、神奈川県に生まれる。
1985年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。
現象学をはじめとする現代哲学、歴史理論、舞踊美学を研究。
著書に『図解雑学 哲学』(ナツメ社)、『哲学マップ』(ちくま新書)、『哲学ワンダーランド』(PHP)、『経験の構造:フッサール現象学の新しい全体像』(勁草書房)がある。