高齢者の喪失体験と再生

著者 竹中星郎

書評

「世界一の長寿国になった幸せな日本。しかし、一皮むくと、認知症や寝たきり状態への不安が渦巻いている。長寿を喜びながら、老いを敵視している。この不思議なねじれ現象。ここに鮮やかな切れ味のメスを入れたのが本書である。私も70代半ばを過ぎて認知症を恐れる一人になっていたが、本書と出合って救われた。うれしい本である。……せいせいしたのは、老いは、社会的にも老いたる当人からも肯定されるべき自然、と位置づけられたことによる。老いは敵ではなかった。パートナーであった」

──増田れい子・ジャーナリスト、中国新聞

「寝たきりや認知症になっても、その人の尊厳が尊重されてこそ、成熟した高齢社会である、との指摘は共感できる。……老いを「若さの喪失」ではなく、真正面から真摯に生きてこそ、豊かな生を全うできる。示唆に富んだ「生き方論」である」

──聖教新聞

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