高齢者の喪失体験と再生
もっとも今日的なテーマに迫る
高齢者はどう生きたらいいのか。仕事や役割の喪失、衰え、心身の病い、親や配偶者の死。喪失体験を乗りこえ元気に生きがいをもって暮らす人、日常の些事に喜びを見いだす人、何もしないで閉じこもる人。どう生きるかに公式はない。「生きがい」や「自立」は望ましいが、こだわらずに"自分らしく"あればいい、と著者はいう。老人専門病院での豊富な臨床体験にもとづき、老年精神医学の第一人者が、一人一人の内面を見つめる味のある高齢者論。
目次
- はじめに~役割を喪失して、それから・・・
- 歌右衛門の衰えと女形の大成~喪失と創造
- 喪失体験とは何か~悲哀と否認
- 人生をふり返って点検する~中年・初老期と喪失体験
- 役割の喪失に代わるもの~老年期
- 人生の最終段階~老いの孤独
- 老年期をいかに生きるか~“自分らしく”ということ~
著作者について
竹中星郎:放送大学客員教授
老人専門病院の浴風会病院副院長、大正大学教授を歴任。「高齢者の孤独と豊かさ」(NHKブックス)、「明解痴呆学」(日本看護協会出版会)他著書多数。