9条がつくる脱アメリカ国家

財界リーダーの提言

著者 品川正治

書評

立花隆「週刊文春、私の読書日記」

本書の白眉は、品川が京都三高時代、「軍人勅諭・読み替え事件」の顛末を語るシーン。・・・ヒトラー・ナチスドイツへの抵抗を呼びかけた有名な「白バラ運動」にも比すべき<軍国日本の白バラ事件>ではないか。このエピソードだけでも、本書を手にする価値がある。それだけでなく、北朝鮮の核実験から集団的自衛権行使に踏み込もうとしている安倍内閣のチェックにも役立つでしょう。・・・本書は「日本とアメリカは・・・基本的に価値観を共有している」と主張する安倍内閣「美しい国」の対極に立つ本だ。

──吉田 司(ダカーポ、2006年12月6日)

中国戦線から奇跡的に生還、復員船のなかで日本国憲法草案を読んだ体験はいまも鮮やかです。軍産複合体が国を牛耳るアメリカと、平和憲法のもとで歩んできた日本とは価値観が違うはずだと問い、9条のもとでの日本の国家目標を示しています。82歳。「持てる力をふりしぼって」発言を続ける姿勢に圧倒されます。

──しんぶん赤旗 日曜版、2006年12月12日号

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9条がつくる脱アメリカ型国家